きぼうのうさぎ
2017年4月
ブレザーを着て歩くと少し汗ばむくらいの暖かい気温。時折吹いてくる風が、とても心地よい。その風と一緒に、たくさんの桜の花びらが散っていく。普段はアスファルトの黒い地面も、この季節になればピンク一色に染まる。風邪で散った桜の花びらが手のひらに乗れば、幸せが舞い込む、なんて話をどこかで聞いた気がする。そんな季節に私は生まれた。
「おはよう春香」
「おはよう莉子」
私が高校生になって初めてできた友達の杉本莉子と学校の最寄り駅で合流して、挨拶をして、他愛のない会話をしながら学校に向かう。これが私の毎朝のルーティン。
「あれ、莉子髪染めたの?可愛い似合ってるね」
黒髪ショートカットだった莉子が、肩あたりまで髪を伸ばして茶髪に染めていた。透明感のある白い肌は相変わらずで、モデルさんみたいに可愛くなっていた。
「春香はなんも変わらないね」
先生にいろいろ言われるのも面倒だし特に自分を変えることはしなかった。髪を染めたい気持ちはあったけど。
「おはよう春香」
「おはよう莉子」
私が高校生になって初めてできた友達の杉本莉子と学校の最寄り駅で合流して、挨拶をして、他愛のない会話をしながら学校に向かう。これが私の毎朝のルーティン。
「あれ、莉子髪染めたの?可愛い似合ってるね」
黒髪ショートカットだった莉子が、肩あたりまで髪を伸ばして茶髪に染めていた。透明感のある白い肌は相変わらずで、モデルさんみたいに可愛くなっていた。
「春香はなんも変わらないね」
先生にいろいろ言われるのも面倒だし特に自分を変えることはしなかった。髪を染めたい気持ちはあったけど。