【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
周囲へのアピールも怠らないダンス。すごいなあと感心した目で東伍さんを見ると、彼は私の耳元に唇を寄せて囁いた。

「私のことが好きですか」

「へ?」

「しかし私は、婚約者がいます。今宵限りの逢瀬といたしましょう」

「はい?」

「ありがとうさようなら、私のベイビープリンセス」

曲が終わると、東伍さんが誰よりも優雅に美しくお辞儀をして去っていった。東伍さんの周りはあっという間に人だかりができて、姿が見えなくなった。

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