【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
「俺が全力で守ります」

「守るってどうやって…」

仮面の男は、戸惑う私の手をとって踊り始めた。それがなんと、あの王子よりも見事な踊りっぷりで、下手な私を上手にリードしながら、ひらひらと蝶のように優雅に舞った。それは本当に圧倒的で、王子の時よりも歓声があがったほど。彼はフルフェイスの仮面をつけていて、表情は分からない。だけど、私の手を握る感触も背中に当てた手の感覚も、今までの誰よりも優しく温かかかった。

「どうしてもキミと踊りたかった。いつかまた踊れたらいいな」

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