【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
夕暮れ時の帰り道、もうすぐ咲きそうな桃色の蕾をつけた桜並木を歩いている隼人を見つけた。
「ここでおります」
私はドレスの裾を掴んで車から飛び降りた。私を見つけた隼人の顔は西陽を浴びて茜色に染まっている。
「お前、一年経っても変わんねーな。そんなんじゃ、本当のお嬢さまにはなれねーぞ」
隼人は、右手でドレスの裾を膝まで捲り、左手でヒールを持って立つ私を見て笑った。
「ねえ、それより隼人の恋は叶ったの?」
「さあな、叶ったような、叶わなかったような」
「なにそれ。変なの」
「いいんだよ、別に今はこのままで」
「ふーん」
隼人の好きな人は岩崎先生だから、卒業を待つって意味かな。
「違うよ。先生じゃねーよ、バカ」
「聞こえたの⁈ていうかバカとはなによ!」
春を告げる風の中、私のパンチから逃げる隼人を追いかける。泣いて笑って、走って踊って、私たちの新しい一年がまた始まる。
fin
「ここでおります」
私はドレスの裾を掴んで車から飛び降りた。私を見つけた隼人の顔は西陽を浴びて茜色に染まっている。
「お前、一年経っても変わんねーな。そんなんじゃ、本当のお嬢さまにはなれねーぞ」
隼人は、右手でドレスの裾を膝まで捲り、左手でヒールを持って立つ私を見て笑った。
「ねえ、それより隼人の恋は叶ったの?」
「さあな、叶ったような、叶わなかったような」
「なにそれ。変なの」
「いいんだよ、別に今はこのままで」
「ふーん」
隼人の好きな人は岩崎先生だから、卒業を待つって意味かな。
「違うよ。先生じゃねーよ、バカ」
「聞こえたの⁈ていうかバカとはなによ!」
春を告げる風の中、私のパンチから逃げる隼人を追いかける。泣いて笑って、走って踊って、私たちの新しい一年がまた始まる。
fin