【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
「嘘を教えちゃいけないでしょ」

「いや、だって、さすがに入学前にアルファのルールを教えたらびっくりすると思ってさ」

びっくりするルールがあるの?なんだろう?私が大輝を見ると、大輝は私の空いている方の手を掴んで引っ張った。

「まあ、すぐわかるよ。茜、こっち来い」

大輝は、私の手を掴んだまま、フロアの奥までずんずん歩いていく。

「え?ちょっ、待って、大輝。私、こんな本格的なドレスは初めてだから、速く歩けないの」

「ごめん、俺、早く茜を独り占めしたいんだ」

大輝の言葉を理解しようとして、頭をフル回転させていると、いきなり後ろから誰かに抱きしめられた。

「みーつけた。やっと会えた。今日までずっと我慢してたんだから」

この声は光くんだ。勉強会の時の生真面目な光くんとは大違い。大胆な行動に面食らう。その言葉の意味も行動も私には全くわからない。

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