【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
鐘が鳴り、入学式の時間になった。校長先生の合図で音楽が鳴り始める。ホール中央で優雅に踊り始めるクラスメイトたち。

本当にダンスするんだ。足がすくむ。こんな場所に庶民の私がいていいのだろうか。

「茜、僕と踊ってくれませんか」

ルカが私の前に手を差し出した。

「ルカ、無理だよ、私には…」

「大丈夫、僕はキミのダンスの先生だよ。キミは踊れる。僕に任せて」

ルカは、私の片方の手を自分の腰に、もう片方の手を握って、ホール中央へと歩き出した。ルカの輝きはすさまじく、歩けばみんながさっと避けて、ちょっとした花道のようになる。

「さあ、いくよ」

ルカの優しい声が私を落ち着かせ、緩やかに私を包んで踊りはじめる。

「もっと近くに来て。僕の大好きな茜」

「え?」

ルカは、びっくりして離れようとした私の体を、ぐっと引き寄せる。

「入学したら告白するって決めてたんだ」


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