【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜

驚いて、恭一郎さんの肩に置いていた両手を上げる。

「茜さん、手、戻してください」

「すいません。驚くとバンザイしちゃうのが癖で…」

恭一郎さんはクスッと笑うと、私がわかるように丁寧に言葉を選んで続きを話してくれる。

「アルファクラスに入る女子は、本来ベータクラスから選ばれるんです。アルファクラスの男子が告白したい女子を推薦し、選ばれた女子がアルファクラスに入ります」

「確かに私はベータクラスに入る予定でした」

「茜さんとは、入学前に会いましたよね、勉強会で。そこで私はあなたに惹かれて告白しようと決めたので、推薦いたしました。他の皆さんもあなたを推薦したのでしょう。だから、今日みんなが告白したのです。ライバルが多そうですね」

恭一郎さんは優しく笑った。

「というわけで、私も茜さんが好きです」