【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
ベランダに出て風に当たりながら考えた。緊張から解放されて力が抜け、ベンチに座り込む。足が痛い。毎日スニーカーだったし、ハイヒールなんて履いたことなかった。私は、踵にできた靴擦れを指でさすりながらため息をつく。絆創膏が欲しいと思ったその時、目の前に突然現れた絆創膏。それを持つ手の主をたどると、整えた髪をぐしゃぐしゃにしながら私を見ている隼人がいた。
「ほら、これ使えよ」
「隼人!」
びっくりして両手を上げる。中学の同級生でいつも隣の席だった隼人が、どうしてここに?驚く私とは対照的に、余裕の表情で首元のボタンをガバッと開け、手でパタパタ仰いでいる。見慣れた仕草。学ランの首のボタンを外してパタパタしていたあの頃のままだ。
「ほら、これ使えよ」
「隼人!」
びっくりして両手を上げる。中学の同級生でいつも隣の席だった隼人が、どうしてここに?驚く私とは対照的に、余裕の表情で首元のボタンをガバッと開け、手でパタパタ仰いでいる。見慣れた仕草。学ランの首のボタンを外してパタパタしていたあの頃のままだ。