【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
「変わってねーな。驚きのバンザイ。ていうかお前、なんで神代学園にいるんだ?しかも、アルファクラスに」

「そんなの私が聞きたいよ」

「だろうな。さぞかしお嬢さまのフリは大変だろうよ」

隼人は、悪戯っ子みたいな目をして笑った。

「あんたねえ、そっちこそ不法侵入で訴え…」

いつものように怒った私が拳を振り上げる。咄嗟にそれを隠すように、隼人が私の前に立った。

「理事長、お久しぶりです」

り、理事長?このおじいさんが?私は慌てて拳を体の後ろに隠した。

「やあ、隼人くん、元気だったかい?何度もうちに来るように説得しても、全く聞き入れてくれなかったのに、急に入学したいだなんて言うから驚いたよ」

「理事長のおかげです」

「高校も決まっていたと聞いたが」

「それはまあ、神代学園の方が将来的にいいですから」

「まあ、そうだろう、だって君は天鵞財閥の御曹司だからな、はっはっは」

て、て、天鵞財閥の御曹司?この隼人が?驚いたときに人は口が開くというが、本当に私の口もあんぐり開いた。不法侵入どころか、隼人もアルファクラスにいるべき人だと、この時初めて知った。

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