【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜

クリスマスの思い出

入学式で起こった出来事を振り返る余裕もなく、ベッドに横になった。

「明日からどうなるのかな…」

目を閉じると、とても疲れていたのかすぐにそのまま眠りに落ちた。


次の日の朝。
カーテンから差し込む光に誘われてベランダに出ると、鳥が歌い、風がそよぎ、春の柔らかな光が眩しかった。
私は車の送迎を断った。満開の桜のトンネルの中を歩くのが好きだったから。学園まではそんなに遠くない。新しい制服は生地がパリッとしていて動きづらく、襟と袖口の硬さが窮屈で、ボタンを外した。4月を過ぎても桜が咲いているのは、冬が寒かったからだと聞いた。思い返せば、11月ぐらいからずっと寒くて、クリスマスなんか雪まで降って本当に寒かったのを覚えている。

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