【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
「あ、はい」

顔は上げてなきゃいけないんだけど、美しい顔が近くにあると心臓がバクバクする。とにかく早く終わらせて、一旦冷静になりたい。私は無になって必死にダンスを覚えた。

「merveilleux!よくできました。すごいよ。こんなに頑張る人初めてだよ。入学式が待ち遠しいよ、茜」

ルカは丁寧にお辞儀をして、私の前から颯爽と去っていった。ママが私の肩を叩いて、ようやく現実に戻る。

「ごはんよ」

「あ、うん、着替えてから行く」

自分の部屋に向かいながら考えた。神代学園って、いったいどんなところなんだろう。




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