【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜

告白は入学式で

彼らと会った数日後、学園から送られてきた通知には、入学予定だった一般のベータクラスからアルファクラスに変更になったと書かれていた。

一週間前に遡ってみたけれど、アルファクラスの彼らに会ったことしか、クラス変更の理由は考えられない。まあ、両親は喜んでいるし、とりあえずダンスの練習はしたし、入学パーティーの準備だけはしてあるので、あまり気にしないことにしよう。

さて、入学式当日。
私がパーティードレスに着替えて玄関を出ると、パパとママが車の前に立っていた。

「茜、入学おめでとう」

「行ってらっしゃい。楽しんできてね」

「行ってきます」

緊張する。運転手さんがドアを開けてくれて、私は車に乗り込んだ。学校に着くまで、今日までの生活を思い出していた。ほんとに嘘みたい。2週間前まで庶民だった私が、パーティーに行くなんて想像できるはずがない。大丈夫だろうか。この先の心配と着なれないキラキラしたドレスが気恥ずかしくて下を向いた。
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