【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
「隼人…」

私は巾着から携帯を取り出すと、今一番話したい人の番号をタップした。

♪〜

辺りに着信音が響く。

「ごめん、俺も電話だから出るね」

隼人はポケットから携帯を取り出し、表示されている名前を確認した。びっくりした顔で私を見る。私はくるりと背中を向けて話し始めた。

「もしもし…」

「…」

「隼人、聞いてる」

隼人と話がしたいと思った。嫌なことがあったとき、いつも隼人がそばにいて話を聞いてくれたことを思い出したから。

「ああ」

「…今日はありがとう」

「うん」
< 91 / 109 >

この作品をシェア

pagetop