【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
ギャーという悲鳴が会場に響き渡る。

なんで私なの?

そうこうするうちに、東伍さんは私の目の前にやってきて、片膝をついて手を差し伸べる。

「お姫さま、私と踊ってください」

断ったら絶対袋叩きにあいそう。踊ったとしても袋叩きにあいそう。えーい、もうどうにでもなれ!みんなが固唾を飲んで見守る中、私は恐る恐る手を出した。

「よろしくお願いします」

曲が流れ、東伍さんは滑らかに踊りはじめる。ああ、確かにすごい。見た目も美しいけれど、ダンスもとても洗練されているということが、見習いお嬢さまの私でも分かる。

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