Cherry Blossoms〜偽りの絆〜

そう言われ、桜士の頭に栄二の顔が浮かぶ。彼は扇町議員によく似ている。息子なのだと話を聞いてすぐにわかった。

扇町議員は、犯罪撲滅のために警察に協力することも多い。犯罪組織からすれば厄介な人間だろう。だが、彼自身はボディーガードが常に護っており、暗殺することはリスクが大きい。そのため、一般人と同じ学校に通い、メディアに姿を一度も出たことのない息子を狙ったのだ。だが、その暗殺はもう失敗に終わっている。しかし、関係のない人々が傷付いたことに変わりはない。

（なんて卑劣な奴らなんだ！！）

桜士がギリリと歯を食いしばっていると、もう一人が二つ目のメリットを話す。その言葉に、桜士の目が見開かれていった。

「今日はここにeagleのメンバーが来る。俺たちの仲間が、eagleに講演しに来るように仕向けてくれたからな。今頃、メンバーをまとめて殺してくれているはずだ」

「……そうか。それだけ聞けたらもう、お前たちに用はない。時間の無駄だ」