Cherry Blossoms〜偽りの絆〜
桜士はそう言うと、迷うことなく二人に向かって銃を発砲する。銃から勢いよく放たれた銃弾は、二人の腕を容赦なく貫いた。

「グアッ!!」

「いってぇぇぇぇ!!」

血を流し、痛みに二人は顔を歪ませる。桜士はその隙を決して無駄にはしなかった。二人との距離を一瞬で詰め、殴り付けて意識を奪う。

止血の処置をした後、二人を柱に縛り付けた桜士は、すぐに理科室へと走り出す。二人の前では冷静を装っていたものの、心の中は荒れてしまっていた。

(四月一日先生、ヨハン先生、クラウディオ先生、無事でいてくれ!!)

警察官としてこの国を護っているというのに、こんなテロを起こすことを許してしまった。自分が情けなく、苛立ちを覚えてしまう。

「そこをどけ!!」

桜士は教室から姿を見せたCerberusのメンバーを怒鳴り付け、銃の引き金をまた引く。急所は狙わないようにしているものの、撃たれると痛い。悲鳴がうるさいほど桜士の耳に響く。
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