Cherry Blossoms〜偽りの絆〜
「最後、どっかの推理漫画みたいだったな」

ヨハンがニヤニヤと笑った後、一花が座っている椅子を見ながら、どこか懐かしそうに話す。

「俺たちは、二次成長期を迎える前の一花を知っているから、妹としか見られないのかもしれねぇ。そもそも、二次成長期迎える前の少女に欲情したらただのヤベェ奴だし。まあ、今は立派なレディーだがな」

「下着を一緒に買いに行ったり、ナプキンの使い方を教えたりしたわね、懐かしいわ。でももう大人になったのよね〜」

ナタリアも懐かしそうに言い、他のみんなも「可愛かったよね〜」と顔を見合わせて話す。それを聞いて、桜士はホッとしてしまう。すると、アルオチがジッと見つめてきた。

「本田先生って一花のこと、好きなの?」

えっ、やっぱりそうなの?、という声が聞こえてくる。桜士は肯定も否定もせず、水を一気に飲み干す。

(この人たちと灰原には絶対にバレたくないな……)

そう思いながら、桜士は一花が帰ってくるのを待った。
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