Cherry Blossoms〜偽りの絆〜

「本田凌と言います。四月一日先生には、いつもお世話になっています」

凌は笑みを浮かべながら頭を下げると、二人も自己紹介をしてくれた。

「……四月一日伊一（わたぬきいいち）です」

「四月一日一央（わたぬきいお）で〜す！姉ちゃんがお世話になってます！」

伊一はどこか不貞腐れたように、一央はニコニコと笑いながら、それぞれ自己紹介をする。双子だというのに、まるで性格は正反対だ。

「弟さん二人とイルミネーションを見に来たんですね」

桜士がそう言うと、伊一は「別に違ぇし！」とガシガシと乱暴に頭をかく。

「勉強の息抜きにって姉ちゃんが勝手に連れ回しただけだから！俺、「行きたい」なんて言ってねぇし！」

「受験勉強の息抜きしようって、ホテルでアフタヌーンティー楽しんで、イルミネーション見に来たんだよね〜」

一央が一花に抱き付く。それを少し羨ましいと思う気持ちは胸の奥へと沈め、桜士は「息抜きは大事ですね」と微笑む。