愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「兄上、ブリジッド嬢、相変わらず仲が良さそうで……」
ピリッと胸が痛んだ。いつもこう言う場面の時はミシェルが居たから。
「ジュール殿下ご機嫌よう」
「ジュールか、どうした?」
気遣うように話をしてくれる二人に感謝をしながら僕は言った。
「少し外の空気を吸いたくて、散歩に来ました」
「お、おう。そうか、日光に当たるのは良い事だな、一日一回は外に出た方が良いと思うぞ、なぁブリジッド!」
「そうですよ。ジュール殿下は散歩が好きだったではありませんか! ねぇセルジュ様」
ミシェルが花が好きだったからよく散歩していたことを思い出した。そう言えばあれから外に出てないかもしれない。
「そうでしたね……ミシェルは散歩が好きだったものですから、よく来ていましたね」
「えぇっと……! もうすぐ王女様が留学にこられるのでしたわね。姿絵を見たらとても美しい方でいらしたわ」
「そうだ! 王女がおいでになったら一緒に茶を飲もう。 ブリジッド用意できる?」
「えぇ! 喜んで」
名案を思い浮かんだかのような顔の兄とブリジット嬢だった。
「お二人のお気遣いに感謝致します、それでは僕はお邪魔でしょうから失礼しますね」
また城へ戻った。ここにもミシェルとの思い出が多すぎる……。