愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

「ジュール殿下、わたくしも幼心に愛していましたよ。私の初恋ですもの。だからどうかお幸せに」


「あぁ、ミシェルもな」


 手を出されたので、お見送りありがとうございました。と言って握手をして別れた。


 もうお会いすることは無いのかもしれない。そう思いました。



 心配そうに見ていたウェズリー様の元へと戻る。


「ジュール殿もミシェルもいい顔をしている」


「はい。話をする機会を作ってくださってありがとうございました」


「またすぐに南の国へ行く事になってごめん」


「……またそれですか。長期休暇には帰りますから、そこは許してくださいね」


「はい」



 家族と離れまた南の国へと行くことになる。王宮に住まわせてくれると言われたけれど、叔母様の家にまたお世話になる事になった。
 侯爵様が家族なんだから戻っておいでと言ってくださったし、ローランお兄様もリベロくんも同意だと言う。




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