愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

 スカートを摘んで覚えたてのお辞儀をしたら、よく出来ました。と褒めてくださいました。その時にお会いしたのが王子殿下でした。


 金髪は日に透けてキラキラしていて、深い海のような青い瞳の男の子でした。とても優しくて本を読んでもらったり、お菓子を食べたりして過ごした。


 王子殿下の剣術の稽古を見学していた時に、知らない男の子に髪を引っ張られて泣いていたらすぐに助けに来てくれました。


 ミシェルをいじめるな! って少し年上の男の子だったけど、怯まずに助けてくれたの。

 汗を拭いたタオルで涙を拭かれて少し汗の匂いがしたのも今では良い思い出。



 王妃様に仲が良いのは分かるのだけど、いずれお互いに結婚相手が出来るかもしれないの。そうしたら相手の方に失礼だから、それまでのお付き合いよ。と言われました。

 王子殿下はきっと、賢くて美しい人を将来お嫁さんに貰うんだろうなって思いました。


 王子殿下はミシェルと結婚する。と言ってくださいましたが、うちはしがない伯爵家で国にとって重要な家ではありませんからもちろん反対された。


 だから王子殿下のご婚約が決まるまで、そう決めていた。

< 13 / 107 >

この作品をシェア

pagetop