愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

 お兄様のお友達が来られるのね。そういえばこの国に来て、まともにお会いした子息って居ないわね……

 少し緊張するけれどご挨拶はしっかりしないと、ローランお兄様に迷惑ですわね。

 そして約束通り、お兄様のお友達が来られました。


 お友達って……南の国の王子殿下に公爵家のご子息に伯爵家のご子息……! 


 高貴な人の集まり……気後れしてしまいました。

 少し浅黒い王子殿下が、ウェズリー・ド・シーラ様と言いました。少し長い髪の毛を緩い三つ編みにしてました。

 公爵家のご子息は眼鏡をかけていて、明らかに頭脳明晰な感じがしました。お名前はエリック・デュール様。

 伯爵のご子息は、騎士の家系だそうで、身体を鍛えられている感じがしました。お名前はロジェ・ダリュー様。


「はじめまして。去年からこちらでお世話になっています。ミシェル・アルディと申します」


「いとこなんだ、挨拶はすんだ? それじゃ部屋に行こうか?」


 王子殿下が目を見開き驚いていました。私は何か変なことを言いましたか?



「間違っていたら謝るけど、ミシェル嬢は隣国からだよね?」


「はい。そうですけれど、何かございましたか?」

「……王宮とかに行ったことはあるよね?」

「えぇ。小さい頃からお母様と一緒に、どうかされました? お会いしたことが?」


「……剣術の稽古とか見学したことは?」

「何度かあります、けど?」

 なんでそこまで知っておいでるのかしら?


「髪を引っ張られて泣かされたこと、ある?」

「ん? んんん……ありますね。小さい頃でしたわね。突然のことで驚いてしまって」



「あの時は悪かった」


「え?」


「珍しい髪の色でふわふわとしていて触れたくなったんだ、泣かせるつもりはなかった」



「あの男の子は王子殿下でしたの! えっと、昔のことですし気にしてませんので、謝罪は必要ないかと」

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