愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「ミシェル、ようこそ! よく来たね」
手を出されたのでその手をお借りして馬車から降りました。
「王子殿下、この度はご招待いただきありがとうございます。馬車まで用意してくださって感謝いたします」
「それは当然でしょう? 行こうか」
連れてこられた先は南の国特有のお花が咲くパティオのような場所だった。
「素敵ですね! 見たことのないお花ばかりです」
「気に入った?」
「はい、風が吹いてきて日差しも心地よくて、お昼寝をしたら気持ちが良さそうです」
「気に入ってくれたなら嬉しいよ。さぁ席に着こう」
「王子殿下、あの、」
「ウェズリーと呼んでくれない? 私はローランの友達だよ?」
「ではウェズリー殿下、」
「殿下だなんて、ローランの友達なのに」
「ウェズリー様とお呼びしても?」
「うん」
「ウェズリー様はどうしてお誘いくださったのですか? 先日お会いしたばかりですのに」
「話をしたかったからだよ」
「話をですか?」
「あの時は邪魔が入ったからね。ミシェルは甘いものが好き?」
「はい好きです」
「良かった。うちの国で作っているカカオから作ったケーキを用意したんだ」
「わぁ! 良い香り、美味しそうですね。カカオは苦いのでお薬だと思っていましたけど甘い香りがします」
「食べてごらん」
「んー。甘くて美味しいです」
甘みの中にカカオ特有の苦味が感じられるけど、ドロっとしたカカオソースがまた美味しい。カカオソースと生クリームを合わせると至福! 悶絶だ!
「美味しそうに食べるね。フルーツは好き?」
「はい好きです」
色とりどりのフルーツが冷やされた状態で出てきてキラキラと光っていた。