愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「わぁ! 贅沢ですね」
「そう?」
んー。瑞々しくて美味しい。種類豊富でどれだけでも食べられそう。
「食べっぷりが良いね」
「あの……食べているとこを見られるのは恥ずかしいです」
「ごめん、ごめん。用意した甲斐があって良いよね?」
周りのメイドさん達に声をかけるウェズリー様に微笑み頷くメイドさん達。
「……美味しくて少し食べ過ぎてしまいました」
初めて呼ばれた先で、こんなにばくばくと食べても良いのだろうか。メイドさん達は呆れているかもしれませんね。
「遠慮しなくて良いのに」
「そういえばお話とは?」
すっかり忘れていた。美味しいおもてなしに気を取られていた。
「ミシェルには将来を誓った人いるの?」
「え! 将来? ですか…?」
「言い換えると国に婚約者はいるの?」
「……いませんよ。いましたら侯爵様のお屋敷でお世話になりませんもの」
「そうなんだ! 良かった。また誘って良い?」
「あの時の事なら本当に気にしてませんからね」
「うん。わかったよ。ありがとう」
「はぁ」
気の抜けた返事をした理由はウェズリー様が何故だか楽しそうだから。一回目に会った時は泣いちゃったし、二回目は挨拶だけ、今日は三回目でお菓子を与えられただけ。
そうして四回目、五回目……十回目にウェズリー様にお会いした時でした。
「ミシェルの事が好きなんだ」