愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「以前将来を誓い合った人はいるのかと聞かれた時に、返事に迷いました。誓い合ってはいないけれど、愛していた人はいたから」
「ジュールでしょう? 初めてミシェルに会った時に邪魔されたのを覚えているよ。ミシェルを虐めるなって言われた。だから君の名前を覚えていたんだ」
「! ご存知でしたか」
「うん。その時二人は婚約しているのかなって思っていたけど、ジュールに婚約者はいなかった。ジュールもミシェルもお互いを思い合っているのは見ていて分かったよ」
「ジュール様のお気持ちはわかりませんが、そういう理由で私はこの国に来たのです。お別れをして国にいるのは辛かったから、ジュール様がいないところで傷を癒して、十五歳になったら国へ帰ります。お父様との約束ですし、学園に通わなくてはいけませんもの」
「嫌なことを言うけど、ジュールは東の国の第三王女と婚約したよね」
「はい。存じております。婚約者がいるジュール様の側にはいれませんし、お相手の方に失礼ですから」
「ミシェルが我が国に来たのは十二歳の時だろ? よく耐えられたね」
「もう少し早くても良かったと思います。歳を重ねていくと、きっとこの胸の痛みも段違いだったでしょうから」
「忘れたくて国を離れたの?」
「はい、この気持ちが落ち着いて学園に通う頃には前のようには戻れないけど、臣下として幼馴染としておめでとうとお伝えしたいと思っています」