愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「そこにミシェルの幸せはあるの?」
「え?」
「今後誰かと歩んでいくと言う道はあるの?」
「そうですね……まだ私は十三歳ですから」
「そっか。考えてはいるんだね、じゃあ私を候補にしてくれる?」
「……ウェズリー様を候補に? 無理な話でございましょう。わたくしとでは身分が違いますもの」
候補……? 王子殿下をたかが伯爵家の令嬢の身分で? 無理な事を……胸が痛んだ。
「身分? 伯爵家の令嬢でしょう? それに侯爵夫人の姪だし、問題ないよ」
私の家は伯爵家だからジュール様の相手に相応しくなかったのに……この国は良いの? 身分を気にしないの?
「……問題が、ない、のですか?」
「うん。問題ない! だからそこは気にしなくて良いよ。友達からって言いたいけれどそれじゃ不誠実だから私は本気でミシェルを口説こうと思っている。それだけは覚えておいて」
「……わたくしを?」
「心の傷は徐々に癒してあげるよ。遠距離恋愛でも不安にさせない自信があるんだよねぇ」
「……自信家なんですね」
「そりゃそうだよ。好きな子を振り向かせたいって言う気持ちは世界共通でしょう? 違う?」
「違わないかもしれませんね」
「使えるものは利用しなくちゃもったいないよ。私を利用すればいい」
「利用って……」