愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

明るい人

「どうしたの? すっきりした顔をしているね」

「はい、世界って広いなって思ったら惜しくなってしまいました。過去に囚われるのはやめてもっと違う景色が見たいなって思いました」

 ウェズリー様のおかげだと思う。私の世界は狭かったんだと思う。家と王宮しか知らなかったもの。

「そうか! またどこかへ行こう?」


「はい」



 その後もウェズリー様の言葉に甘えて、いろんなところへ連れて行ってもらった。

 それは湖だったり、丘だったり、川だったり変わったところでは、温泉だったり。


 そして、いろんな体験もさせてもらった。


 釣りやフルーツ狩り、芝生で坂になっている場所に敷物を敷いて滑り落ちたり、乗馬だったりと私の生まれ育った国ではさせてもらえないような体験ばかりだった。


 そうしたら二年はあっという間に過ぎて、国に帰る日が近づいてきた。



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