愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

 思わず涙が溢れてきた。気持ちが溢れるように涙がはらはらと落ちてきた。


「別れるのなら寂しくなるけど、泣いてくれるって言うことは別れたくないってことで良い? 私は前向きに考えてしまう傾向にあるから、今ミシェルが泣いているのはとても嬉しいよ」

 手を重ねられた。そして手を握られると涙が拭けないからまた涙が溢れた。


「はい」


「じゃあお別れではないね?」


「は、い」


「約束が欲しい。私と婚約して欲しい」

「良いのですか? 本当にわたくしで」

「ミシェルが良いんだ、良かった! 婚約に持ってこれた!」


 にこっと笑うウェズリー様を見たら温かい気持ちが芽生えた。


 次の日少し目を腫らした状態のまま、陛下と王妃様にお会いしたら婚約はすぐに決まった。


 お父様が近いうちに迎えにきてくれるのでその時に詳しい話をするということになった。


 侯爵様や叔母さまも喜んでくださったし、ローランお兄様とリベロ君は結局そうなったか! と言った。でもおめでとう。という言葉をくれた。


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