愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「ジュール様は無口なタイプなんですね」
「ごめん。少し緊張しているんだ……じきに慣れるよ」
プリシアに気を遣わせてしまった……申し訳ないことをしてしまった。
「プリシア様の美しさに気後れしちゃっているのかもしれませんわね」
「弟は少し恥ずかしがり屋なところがあるんだ。フォローしてやってくれるかな?」
ブリジット嬢と兄上のフォローが入った。
「えぇ。交流を深める時間は必要ですわね」
プリシアに変な誤解を与える前に、この状況を受け入れるしかない。そう思い、プリシアとの交流を深めていった。
「プリシア、今日は街へ行こうか?」
「わたくしブローチが欲しいですわ」
「それならいつもの店へ行ってみよう」
交流を深めるうちに、会話もスムーズになった。虚無感はまだあるけれど一人になったらいろんな事を考えてしまう。
プリシアは美しくてよく気がつき、よく働き、出来た女性だった。母もプリシアを褒めていた。
プリシアは学園に入るまで、母である王妃と公爵夫人たちのレッスンを受けている。
東の国との文化の違いに驚いていた様子だったが、郷に入っては郷に従えと言う言葉もあるから、慣れない我が国の文化に馴染もうと必死な様子だった。