愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

学生生活


「ミシェル様! お久しぶりです。わたくしの事、覚えていらっしゃいますか?」


 教室に着くなり、ある令嬢から声をかけられた。

 三年前までは王宮によく遊びに行っていたから、その時に歳の近い貴族達との交流はあったし、ジュール殿下の友達も顔見知りだった。

「まぁ、本当にお久しぶりですわね。お元気でしたか?」


 南の国に行って三年……三年って長いのね。成長して皆の顔が変わっていた。

 急にタイムスリップしてきたかのような感覚だった。


「急にお姿を見なくなったので心配しておりましたのよ」


「それはご心配をおかけしました。南の国にある叔母の家におりましたの」


 お父様が私がどこに居るのかは言っていないと言っていたもの。


「まぁ! 南の国に? どんな所ですの?」

「温暖でとても過ごしやすくて、美味しいものがたくさんありますのよ」


「そうですのね。それは一度訪れてみたいですわね!」


「旅行で訪れる方も多いのだそうです。リゾート地も開発されていますし、オススメですわよ」

 それから数人に声をかけられたけれど、名前を言われて、あぁ! となる事が多かった。成長期ですものねぇ。

< 42 / 107 >

この作品をシェア

pagetop