愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
学生生活
「ミシェル様! お久しぶりです。わたくしの事、覚えていらっしゃいますか?」
教室に着くなり、ある令嬢から声をかけられた。
三年前までは王宮によく遊びに行っていたから、その時に歳の近い貴族達との交流はあったし、ジュール殿下の友達も顔見知りだった。
「まぁ、本当にお久しぶりですわね。お元気でしたか?」
南の国に行って三年……三年って長いのね。成長して皆の顔が変わっていた。
急にタイムスリップしてきたかのような感覚だった。
「急にお姿を見なくなったので心配しておりましたのよ」
「それはご心配をおかけしました。南の国にある叔母の家におりましたの」
お父様が私がどこに居るのかは言っていないと言っていたもの。
「まぁ! 南の国に? どんな所ですの?」
「温暖でとても過ごしやすくて、美味しいものがたくさんありますのよ」
「そうですのね。それは一度訪れてみたいですわね!」
「旅行で訪れる方も多いのだそうです。リゾート地も開発されていますし、オススメですわよ」
それから数人に声をかけられたけれど、名前を言われて、あぁ! となる事が多かった。成長期ですものねぇ。