愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「すみませんでした。ミシェル様のご婚約者様のことをお聞きしてもよろしいですか? 私ご婚約をしていた事を存じ上げなくて」
「まだ発表はしていないんです。ですから皆さん知らなくて当然ですもの。とても明るく朗らかで、一緒にいると元気をもらえる優しい方なんですよ」
「そうなんですか! ミシェル様のお相手の方ですもの、素敵な方なんでしょうね」
「ふふっ。わたくしには勿体ない方なんですよ。それに……イケメンですし」
「きゃぁ~。ミシェル様ったら」
「ふふっ。内緒ですわよ」
ウィンクすると、頷かれた。久しぶりの顔見知りとの会話は意外と楽しいものだなと思った。気を遣わせてしまったけれど、ウェズリー様の存在があるから今ここで笑ってお話が出来るのだと思う。
早くウェズリー様に会いたいなぁ……そう思い、待ち合わせの場所へ急いだ。
「ウェズリー様! お待たせしました」
「そんなに待ってないから気にしないで。カバン持つよ」
そう言われて素直にカバンを渡すと、自然に手を繋がれた。
「今日婚約者はいるのかと昔馴染みの令嬢に聞かれましたので、ウェズリー様のお話をしたのよ」
「私のことはなんて言ってくれたの?」
「とても明るく朗らかで、一緒にいると元気をもらえる素敵なイケメンです。って言いました」
「うん、間違ってないな」
「ふふふっ、でも正式な発表はしてないからと名前は伏せておきましたけれど、時間の問題ですね」
「手を繋いで帰るくらいだからね、バレても問題ないよ。私がいる事を示しておかないとミシェルは可愛いから狙われる可能性もある」
私はそんな浮気性ではありません! 少しだけ? 心外です。それにウェズリー様より素敵な人なんて知りませんもの。