愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「ミシェルが婚約っ! ウェズリー殿と?」
「そ! 結婚式は三年後、うちの国で挙げるから良かったら呼ぶけど?」
まるで挑発するような口ぶりのウェズリー様に、ジュール殿下は信じられないというような顔をして私たちを見ていた。
「ミシェルの家は単なる伯爵家だぞっ! 身分が違うだろうっ!」
「それはこの国のルール? でしょう。うちはうちのルールがあって全く問題ない。父上も母上もその他だーれも反対しなかったよ」
「は? 南の国は王族と単なる伯爵家の娘が婚姻を結べるのか?」
「単なるって……失礼だな。それにミシェルの叔母上の家は侯爵家だし、親戚になるのだから寧ろ喜ばしいと言われたけどね」
「侯爵家……ミシェルの家が侯爵家だったら問題がなかったのに、なんて事ない伯爵家の娘だったから婚約出来なかった!」
……初めから分かっていたことではないですか。
お父様が殿下の遊び相手を辞退したいと何度も言ってくださいましたし、深入りはしてはいけないと、私も殿下も王妃様に何度も釘を刺されていました。
殿下はそれでも遊びに来るようにと誘ってくださいましたね……