愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「三年前に終わった話ではありませんか。わたくしはあの時と同じで、変わらず臣下として殿下の幸せを祈っておりますわ」
「ミシェル……?」
「話は以上? それなら行こうか、予約の時間に遅れてしまう」
「はい。それでは殿下ごきげんよう。お先に失礼致します」
もう一度スカートの裾を摘んで挨拶をした。
馬車に乗り揺られていた。
「せっかくいい所だったのに邪魔が入った! ミシェルから告白されたと言うのに!」
ぶつぶつと文句を言うウェズリー様。
「ウェズリー様が居てくれて良かったです。本心では殿下に会ったら動揺するかと思っていたんですけど、不思議ですわ」
「それはミシェルが三年間頑張ったからに決まってるでしょ!」
「ウェズリー様に餌付けされたから、南の国が居心地が良かったんですわね」
「それなら餌付けは大成功だ。でも今からドレスの採寸だから食べ過ぎは注意だね」
「帰りに食事に行くのに?」
「そうだな……それなら明日から控えてもらうよ」
「はい」
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「ジュール様、お待たせしました」
「…………」
「ジュール様?」
「あ! 悪い、帰ろうかプリシア」
「えぇ……」
ミシェルとウェズリーを乗せた馬車を無表情で見つめた。