愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

「三年前に終わった話ではありませんか。わたくしはあの時と同じで、変わらず臣下として殿下の幸せを祈っておりますわ」


「ミシェル……?」


「話は以上? それなら行こうか、予約の時間に遅れてしまう」


「はい。それでは殿下ごきげんよう。お先に失礼致します」


 もう一度スカートの裾を摘んで挨拶をした。



 馬車に乗り揺られていた。

「せっかくいい所だったのに邪魔が入った! ミシェルから告白されたと言うのに!」


 ぶつぶつと文句を言うウェズリー様。


「ウェズリー様が居てくれて良かったです。本心では殿下に会ったら動揺するかと思っていたんですけど、不思議ですわ」

「それはミシェルが三年間頑張ったからに決まってるでしょ!」

「ウェズリー様に餌付けされたから、南の国が居心地が良かったんですわね」

「それなら餌付けは大成功だ。でも今からドレスの採寸だから食べ過ぎは注意だね」


「帰りに食事に行くのに?」


「そうだな……それなら明日から控えてもらうよ」


「はい」


******


「ジュール様、お待たせしました」

「…………」


「ジュール様?」


「あ! 悪い、帰ろうかプリシア」


「えぇ……」


 ミシェルとウェズリーを乗せた馬車を無表情で見つめた。



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