愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「そうなの。ウェズリー殿下も一緒にと言うことなのだけど」
お母様がウェズリー様を見る。
「王妃様からのお誘いを断ることは出来ませんね。ミシェルどう?」
「そうですね、行きましょう」
ウェズリー様と王妃様に会いに行った。久しぶりの王宮は気が乗らない。
なんと案内役には三年前にお別れを言ったメイドのアガサさんだった。わざわざ手配をしてくれたのだろう。
「お久しぶりですね、アガサさん」
「ミシェル様! またこうしてご案内出来る日がくるなんて夢のようです」
ミシェルさんは三年前に渡したブローチをつけてくれていた。ウェズリー様にも挨拶をしていて、アガサさんは昔と変わらなかった。
「私が王宮に来るといつもこのアガサさんが案内をしてくれていたんですよ。また会えるとは思っていなかったので久しぶりの再会です」
ウェズリー様に説明をした。
「三年振りだといろいろと懐かしいのではないか?」
ウェズリー様の腕に手をかけて歩き出す。
「まさかウェズリー様と来ることになるなんて思いもしませんでしたね」
「そうだね」
「仲睦まじいようで何よりです」
アガサさんは涙ぐみながらも笑ってくれた。心配してくれていたんだろうと思うと、心苦しかった。
ジュール様とお別れした日にアガサさんにもお別れしたから。
「……王妃様はこちらのお部屋でお待ちです」