愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

「あれ? まさか冗談だと思ってないよね? 今陛下に言われたことが実際にあるとしたら、本気だから。結婚してしばらくは忙しいだろうけど、将来のんびり暮らすためにも頑張って公務に励むつもりだから、ミシェルにも手伝ってもらいたい」


「はい、わたくしは少しでもウェズリー様を支える存在になりたいですわ」


 二人で笑い合った。陛下の前では不敬かもしれないけれど隠しきれない気持ちがあるんですもの。



「ウェズリー殿とミシェルの気持ちは分かった。仲が良いようで安心した、ずっと君には悪いと思っていた。王妃のことはわしに任せなさい。後は何かないか?」



「陛下にお聞きしたいことがあります」

 
「なんじゃ? 遠慮せず言うてみるが良い」


「わたくしの家族に何かお咎めはありますか……わたくしのせいで家族が、」


「アルディ伯爵にか? あるわけなかろう。古くからの友で国を支えてくれる存在だ。私情を挟んで咎めることはせん! わしからもきつく言っておく。いや、もっと早く気を遣っておくべきだったな。アルディ伯爵夫人にも面倒をかけた。ミシェルが姿を見せんようになってジュールが落ち込んでしまったから、王妃の気持ちが暴走した。
 ジュールは次男だから甘やかしてしまった。周りにも迷惑をかけたし、今日は今日で防音室で茶会とは……報告を受けたときは頭が痛うなった。ウェズリー殿、誠に申し訳なかった。本来なら貴賓室を用意してここで過ごして欲しかったのだが、面倒な事になるのを避けたんじゃろう?」


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