愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
陛下は申し訳なさそうな顔をしていました。ウェズリー様はなんとも言えない顔をしていた。
「家が近いとミシェルにすぐ会えますからね。それだけですよ。こちらこそ警備兵を派遣してくださってありがとうございます」
先ほど陛下が仰ったように王宮で過ごして欲しかったのだろうと思う。その方が安全だもの。
「そう言ってくれると助かる。足りないものや意見があったらなんなりと言ってくれ。国際問題にも発展しかねん事態をわしの目の届くところでやらかした王妃には罰を与えることにする」
「そうですね。陛下とお話をして少し気持ちが落ち着きましたが、ミシェルの顔に傷をつけた事は許せる事ではありません。しかしお忙しい中、時間を作っていただき謝罪の言葉もいただきましたので、今回の件は私の胸の内にしまっておきます。しかし次はありません! 国に報告するということも視野に入れておいていただきます」
ウェズリー様は優しい口調でお話しなさっているけれど、その声には威厳があると言うか……陛下も真摯に対応されています。
「ウェズリー殿の広い心に感謝する」
陛下がウェズリー様に頭を下げました。
「どうぞ頭を上げてください。本日は陛下とお話ができてよかったです、ミシェルとの婚約を祝ってもらえたのですから。これで問題はなくなりましたね」
「ミシェルも悪かった、ウェズリー殿と幸せになるのだぞ」
「ありがたいお言葉に感謝致します」
陛下が約束してくれたことにホッと胸を撫で下ろした。お母様と王妃様はお友達だったけど、今後のことは分からないから。