愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「ねぇ、ミシェル」
「はい、なんですか?」
ウェズリー様と手を繋いで歩いた。他国の王子殿下とこういう風に歩いているのを見られたら、咎められるかもしれませんね。
「さっきの本当だから」
「さっき?」
分かっていたけど、惚けてみた。
「一貴族になってミシェルと一緒になるって話だよ」
「冗談でもうれしかったですよ、」
「本気だって! はじめはさ、可愛い子だと思って気になったんだけど、思いやりもあって、芯のしっかりしたミシェルが好きになった。王子の妃なんて大変だし面倒だろうけど、私がちゃんとフォローするよ」
「はい。皆さんにも認めてもらえるように頑張りますね。……ウェズリー、様」
「なに?」
「こんな面倒な私と一緒にいてくださってありがとうございます」
早く三年が経って南の国へ戻れたら良いのに。ウェズリー様のお力になりたい。
「二人で障害を乗り越えてその先の明るい未来を見たいと思わない?」
ウェズリー様の優しさに触れたら涙が溢れた。