愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
ミシェルの思い
ジュール殿下と私が一緒になる条件、それはジュール殿下が王族から抜ける事だったと聞いた。
血筋や身分を一番に考えるこの国としては、王族と言う身分から一貴族に落とされるというのは屈辱的な事だったのでしょう。
だからジュール殿下は返事をしなかった。それを望んでいなかった。単なるないものねだりと言った所かもしれない。
ジュール殿下にお会いしたら少しは動揺するかと思ったけど、気持ちが動かなかった。
そしてますます過去の事だと身に染みた。嫌なことしかなかったけど、王宮に行って良かったのかもしれない。
ウェズリー様にはたくさんご迷惑をかけてしまったけれど……。
それから数日後、ウェズリー様を招いて家族で晩餐をとっていた時にお父様が口を開いた。