愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「ジュール様からご婚約のお話を聞きました」
「話が出ているの。ミシェルも知っていたでしょう?」
「はい。ジュール様から直接聞くまでは内緒にしてほしいと王妃様とお約束をしましたから、黙っておりました」
「ミシェルは本当に素直なんだから」
「ありがとう存じます」
「それで? 婚約者がだれ? って話?」
「ジュール様に婚約者が決まったらもうお会いしないと言うお約束でしたので、本日限りこちらにお邪魔する事はありませんので、最後に王妃様にご挨拶に参りました」
「え! 王宮に来るなとは言っていませんよ、いつでも来て良いのよ!」
首を左右に振りました。
「王宮に来ますと思い出がたくさんありますので、ついジュール様を思い出しては困りますもの。今までの感謝の気持ちをお伝えしに参りました。王妃様どうかお体にお気をつけてお元気でお過ごしください。今までありがとうございました」
「ミシェル! そんな約束……」
王妃様の声が聞こえましたが、失礼ながら決心が揺らいでは困ります。そう思い、そっと王宮を後にしました。そしてミシェルはこの日以来王宮に行かなくなった。