愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

愛していると言ったのに

【ジュール視線】


 ミシェルが王宮に来なくなった。バッタリと! 胸にぽっかり穴が空いたような感覚だった。

 幼い頃から僕の遊び相手として王宮に来ていた。母である王妃の友達の娘だった。

 初めて会った時は僕が五歳でミシェルが四歳だった。

 ふわふわのシルバーの髪に、大きなピンクの瞳、白くてふっくらした頬はマシュマロのようでつい触りたくなるような可愛らしさだった。


 エプロンドレスに身を包み、ウサギのぬいぐるみを抱いていた幼いミシェルは恥ずかしがりながらも挨拶をしてくれたっけ。懐かしい思い出だ。


 お菓子を食べてお茶を飲み一緒に遊んだ。時には一緒にお昼寝をする事もあったけど、十歳を超えた頃からは一緒に寝るのは禁止となり怒られた。

 あのふわふわの髪の毛を触りながらする昼寝は気持ちよかったのにな。

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