愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「ミシェルと言ったわね?」
プリシア王女がミシェルを見た
「はい」
「晩餐ではわたくしの近くへいらっしゃい。交流を深めましょう」
「……はい王女殿下」
ミシェルが返事をした、してしまった。悪意の塊だ。
「ジュール様行きましょう」
王女がジュールを連れて離宮の方向へ歩き出した。ジュールも変わったように思えた。
「ミシェル大丈夫?」
「えぇ、特に問題はありません」
微笑むミシェルはこれは日常でもよくある事です。と言った。この国の高位貴族とはそんなに偉いのだろうか?
伯爵領は栄えているし伯爵も王宮では重要なポストに就いている。
ミシェルの家は下手な格上と言われる侯爵家よりもずっと裕福だ。ミシェルが狭かったと言った世界は私が思っていたよりずっと狭かったのだ。
以前伯爵に不満を言うと、悪いことばかりではありませんよ。それでも私はこの国にいます。と言って笑った。
でもミシェルのことは自由にさせてやりたいし、息子も成長していくうちに自我が芽生えれば好きにさせてやりたい。と言った。