愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

「南の国の王妃様からプレゼントされましたのよ。まさか給仕服と間違われるなんて……王妃様に申し訳がたちませんわ。わたくしが着こなせていませんのね」


 さぁーっと顔を青褪める令嬢。


「汚れたようなピンクとおっしゃいましたか? 王妃様のお名前が付いたバラの色ですの。南の国では王妃様から賜われた物によく使われる色なのです。ご存知ないのも当然だと思いますけれど」


 さらに顔色を変え青から白に……
 

「少しばかり緩やかなドレスですよね? 腕をそんなに出されていますし」


 胸元を強調し身体を締め付けたドレスを着た方に言われても……腕が出ている程度なのに。侯爵令嬢の胸元を見る。


「とても涼しいですのよ。体を締め付けていないので、晩餐を美味しくいただけますし」


 コルセットをつけていないと言いたいのでしょう。南の国のコルセットは簡単なものが多くて腰回りを必要以上に締め付けないおかげで美味しく食事をいただけます。


「まぁ! たくさんお召し上がりになるのですわね」


 この国のパーティーなどではコルセットで締め付けられているせいか、淑女の食事は極端に少ない。


「ウェズリー殿下は美食家ですので美味しいものを食べに連れて行ってくださるので、少しサイズが大きくなって困っていますの」



 極端に少ない割に高位貴族の紳士淑女の体型は大きめと言った感じです。

 こちらの侯爵令嬢も……。

 美味しく食事をした後は、身体を動かします。馬術を習いウォーキングは常にしていますので、体型はキープです。この国の令嬢はやらない事だと思いますけれど。南の国では普通のこと。



「ミシェルの話はとても楽しいわね。王妃様から頂いたドレスの話に南の国のお話、どれも素敵な話ですわね」


 王女殿下が周りを鎮めるように言った、もちろん周りは待ってました。と言わんばかり。

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