愛していますよ、だから幸せになってくださいね!
「先程聞いた話によると私たち先客がいたにもかかわらず、ジュール殿と王女が責任を取るから入れるようにと言っていたらしいな。その件をまず陛下に報告する。陛下が私たちにこの離宮行きを勧めた理由は、この国での諸々の差別について謝罪の意を込めてのバカンスだったのだが、バカンスどころか更にこんなことが起きた。この件に関して陛下が黙っていないだろうし、こんなことが二度と起きないようにすると言う陛下との約束が反故にされてしまった結果だ」
「そんなことが……」
皆が項垂れた。
「ミシェル部屋へ戻ろう、明日の早々にここを出る。やはり準備させておいて良かったな」
手を差し伸べられたので手を取り微笑む。
「はい。ウェズリー様、それでは皆さまお先に失礼しますわね」