愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

早朝はバタバタとしている

 夜が明けようとしていた。

 カーテン越しにも少し明るくなってきただろうと感じた。眠りが浅かったから頭がすっきりしていない。




「ミシェルお嬢様、起きてください」


「……えぇ」


 眠たいけれど早朝に出るという予定なので、冷たい水で顔を洗って目を覚まして準備を始めた。とは言っても支度を整えるくらいだけれども。
 侍女やメイドは荷物を纏めて昨日のうちに馬車に積んでいたらしい。



「何から何まで迷惑をかけてごめんなさいね」


 帰る準備をしてくれた侍女たちに申し訳なく思う。眠いなんて言えないわね。


「良いです! こんなところすぐに出ましょう!」


 こんなところって……まぁその通りだけれど。

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