星と空
悪夢ともう一人のお医者さん

紗良side

夢を見た。それも悪夢。

『お前、実乃(母)の邪魔すんなよ!こっちがどれだけ我慢してると思ってんだ!』

ボコッ ドンッ ベシベシ ガンガン

『イッタッ…やめてよ…』

『喋んな、その父親みたいな声と目で見るな!お前なんて、そこらへんのホコリと一緒、ゴミなんだよ!』

『そうなの…?』

『ああそうだよ!出来の悪い頭なんだから考えろ!俺たちの時間をとるなよ!分かったら消えろ。』

イヤッ 助けて、怖いよ!

ー「ハァハァハァ…ハァハァハァハァハァハァハァハァハァ」

「…ちゃん!…らちゃん!紗良ちゃん!」

誰、怖い。近づかないで!

「イヤァーーーーーーーハァハァハァハァハァハァー、ハァハァハァハァ」

「大丈夫だよ!悠飛先生だからね〜。無理に近づいたり怒ったりしないからね!」

ゆう…ひ…先生?怖いことしないかな、待っててくれるかな?

「ゆう…ひ…ハァハァハァせん…せいは…ハァハァハァハァ怒らない?ハァハァハァハァハァハァハァまって…てハァハァハァくれる?」

「もちろん待っててあげる!でも苦しいよね、辛いよね、だからさ先生とゆーっくり深呼吸しよう?できそうかな?」

怖いけど苦しいのも嫌だから頷いた。

「偉いね!よーし先生に合わせて深呼吸しようね!お鼻で吸って〜〜お口で吐いて〜〜吸って〜〜〜吐いて〜〜〜吸って〜〜〜吐いて〜〜〜うん、よく出来ました!オッケーだよ♪」

フゥー怖かった。
でも、この先生は怖くなかった。なんでだろう?

「紗良ちゃん、怖かったよね?何かあったのかな?」

ちゃんと言わなきゃ…。

「夢…。」

「そっか、そっか。怖かったんだね、ごめんね。すぐに来れなくて」

急いで首を横に振る。

「ねえ、紗良ちゃん。日南先生に会ってみないかな?」

「誰…?その人。」

「紗良ちゃんの言いたいこと全部聞いてくれる人だよ。紗良ちゃんの心はね、今傷がついちゃってるの。それを治せる先生かな。」

「悠飛先生もそばにいてくれる?」

「もちろん。それに日南先生は俺の親友だからね!」

「わかった」
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