星と空
「姉さん、悠飛、ちょっといいかな?」

「風舞、改まってどうしたの?」

俺もすごい気になりすぎてムズムズする。

「紗良ちゃんさ、安藤さんに叩かれ、蹴られて。田村さんに死ねって…」

は?ふざけんなよ、それでも看護師か?

「っ…どういうことだ。」

「悠くん、落ち着いて。」

「とりま、2人は紗良ちゃんに近づけないようにするし、異動させようと思ってる。その後僕と紗良ちゃんでカウンセリングかな。」

風舞の言っていることは最もだった。

「ああ、それが一番いいだろうな。」

「ねえ、」

優舞さんが口を開いた。

「紗良ちゃん、このままだと一層悪くなるよね、でも風舞も悠君もついてられない。担当看護師をつけても今の状況的に…」

優舞さんが言いたいことは最もで、俺らが迷っていることだった。

「僕もそう思う。けど、紗良ちゃんには人を信じることと安全なところって知ってほしい。もちろん一部の心無い人がいる時もあると思う。でも世界の全員がそんな人ではないってわかって欲しいな。」

風舞の想いなんだと思う。ずっと傷つけられてきた子達のケアをしてきた風舞らしい。

「だな。俺もそう思うよ…」

「2人に提案があって、紗良ちゃんの担当看護師をやらせてほしい。」

「僕は賛成、頼れる姉さんだし。何より僕と繋がりがあって信頼してる人の知り合いって部分が大きい。」

俺は…
「俺も賛成だけど、まずは俺と風舞と紗良ちゃんで話し合いながら抵抗をなくすのと、俺ら立ち合いの元で優舞さんとも話す練習をしてからがいいと思う。」

「そうだね、私もそう思う。もう少し落ち着いたら話切り出してほしいな。」

「うん、あ。僕もう行かなきゃ、カウンセリング入ってるんだった!!」

風舞には申し訳ないことしたな。

「了解〜ありがと。」

俺は部屋の片付けをして医局に向かった。
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