星と空
ここからは紗良ちゃんのパニックになることを考慮して慎重に、と。
「紗良ちゃん、小さい時のことお話ししてくれてありがとう。ここからは紗良ちゃんにとってね、辛いとか苦しいってなっちゃうお話しなんだ。ごめんね。だけどもう無理ってなったらさ、手握ってね。すぐ終わりにするからね。」

「…わかった。」

「紗良ちゃん、お義父さんに何をされたのかな?」

…紗良ちゃんの顔が曇っていく。見てて痛々しい…。

「…あの、ね…紗良…わるいこ…なの。紗良が悪い…から…けった…り、き…きら…れたり。」

話し方が少し幼い。一種の防衛みたいなものだ。

「そっか、蹴られちゃったり切りつけられたりしちゃったんだね。痛かったよね。」

「…あ、あとね、…さ…ら…きた…ない。いらない…こ」

心理的虐待と身体的虐待かな…。

「ん〜そうなの?紗良ちゃんはどうしていらない子なのかな?」

決して紗良ちゃんの言葉を否定するようなことはしてはいけない。
理由を聞いて教えてあげるのが一番だもんね。

「…だ…って紗良…なにも…できない。」

「そっか、じゃあさ今度僕と折り紙してみよ〜。僕折り紙大好きなんだ!」

紗良ちゃんが塞ぎ込まなければいいんだけど…

「…さ…ら、下手でも…いい?」

「うん!一緒に遊ぼうね〜」

紗良ちゃんの顔がパッと明るくなる。

「話してくれてありがとう!じゃあ一緒にお菓子食べよう〜」

「うんっ!」
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