「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ
次の学校の帰り道。
ある家の庭で、アンチューサの花が咲いていた。
……アンチューサ、か。
花言葉は、『あなたが信じられない』。
小さくて可愛い青い花が集まっている、この花たちは1人ぼっちじゃないのに、花言葉はこんなに悲しいんだね。
初めてこの花を見た時、1人ぼっちじゃないとしても幸せとは限らない、なんてことを示唆してるみたいだなと思ったのを覚えている。
確かに、そうだな。
わたしにはお母さんがいて、恵理奈がいて、沙也加がいて、そして翠もいる。
それなのに幸せを感じられないし、人を信じることもできない。
あなたが信じられない、か。人間が信じられないわたしにぴったり。
なんて思ってしまう。
「百々葉? 何やってんだ?」