「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ
一瞬、ぎょっとしたけれど、この声には聞き覚えがある。
声のする横の方へ、わたしが見てみるとそこにはひーくんが立っていた。
「……ひーくん!? なんで、ここに……」
「いや、なんでって。ここ、俺んちなんだけど。うちに何か用?」
「う、うち?」
ここって、ひーくんの家だったの!?
……あ、ほんとだ。
表札にはしっかり、ひーくんの苗字である『増田』という文字が彫られていた。
「なんかあるなら、親呼ぼっか?」
「いい、いい! あの、違うの……!」
「じゃあ、一体なんでここで立ち止まってんの?」
って、そうなりますよね。
他人が、自分の家の庭をずっと眺めてたらそりゃあ気味が悪いよ。
「こ、この花……」
「花?」
「アンチューサが咲いてて、綺麗だなーって思っちゃったからつい見惚れてただけなの……!」
あぁ、今度こそ変に思われちゃうかもしれない。
そう思い、ぎゅっと目をつぶった。
「お前詳しいな」
「え!?」