「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ

思わず、わたしはびっくりして目を開けた。



「この花って、アンチューサっていうのか。ぜんっぜん知らなかった」



ひーくんは、わたしの隣でアンチューサの花たちを見つめる。


……し、知らないのに植えて育てたの?



「知らなかった……?」



「庭の花は、母親しかいじんねーから、こうやって俺が知らない間に花が植えられてるのは珍しいことじゃないんだ。アンチューサっていうのかぁ」



そうか、このアンチューサを綺麗に咲かせたのは、ひーくんのお母さんだったんだね。


ひーくんのお母さん、すごく花が好きなんだね。

こんなに綺麗に、ぱぁっと咲かせることができるなんて。



「もしかして、百々葉んちも花植えてんの?」



「ううん、うちは全然」



恵理奈だって仕事があるんだし、沙也加は就活があるし、それにお母さんは布団から出ることすら簡単じゃないから、花を育てるゆとりなんて全くない。



「ふーん。なぁ、百々葉」




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